虫歯予防にキシリトール

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 今日はお休みでした。朝、子供二人(真ん中の子は「忙しいから行かない」と)とお散歩し、午前に1人だけ診療し、その後原稿を書き、また素晴らしい論文も読みました。夕方、初めて小学校にお迎えにあがり、息子が元気に遊ぶ姿を見てとっても幸せな気持ちになりました。このあと夜は歯周病専門医の田代先生(僕の6歳くらい上の熱い先生です)との会食の予定になっていて、最高のお休みとなりそうです。
 昨日のブログを読んで「そんな当たり前の話でなくて、もっと楽で、おいしい話を」という嘆きが聞こえたような気がしましたのでので、今日はキシリトールの虫歯予防効果について、わかりやすく。
 キシリトールとは元々白樺などの木から発見された天然の代用甘味料で(今では分子式も全く同じで、天然と違いのないものが工業的にも作られている)イチゴやカリフラワー、ラズベリーにも含まれている糖アルコールの一種。ミュータンス菌が酸を産生できないため、虫歯予防効果があるとされており、毒性がなく安全で、北欧での利用率が高い(アメリカではあまり聞かない感じ、WHY?)。
 虫歯予防には原因菌を叩く(プラークをコントロール)か、やられにくい頑強な歯にするか(フッ素による歯質強化など)のどちらかだが、キシリトールは前者の効果があるとされている(歯を強化したり再石灰化を促進する効果は証明されておらず、意見が分かれている)。
 効果的な利用法は最低50パーセント以上(歯科医院で高濃度のものが販売されています)のキシリトール入りガム(しかもノンシュガー)を一日四回咬んで2分以上唾を飲み込まず、口の中に行きわたらせる(とどまっている時間が長いほど効果的)。しかも長期(三ヶ月以上)使用するとより効果的とされる。作用機序はミュータンス菌がキシリトールを取り込むが、代謝しきれず無駄にエネルギーだけが消費され、活性が弱まる(殺菌効果はない)。食べても食べても消化できず、食べ疲れ、栄養も不足し、疲労困憊といったところでしょうか(僕の勝手なイメージです)?3ヶ月以上摂取を続けるとミュータンス菌の繁殖が弱まったり、砂糖からも酸を産生できなくなったりするそうです(通常ミュータンス菌は砂糖から酸を産生する)。
 僕たちの歯は一日の中でも、エナメル質表層のカルシウムなどのミネラルが溶け出したり(脱灰)、回復したり(再石灰化)をダイナミックに繰り返している。酸を産生する頻度や量が増えると、回復が追いつかず、虫歯となってしまう(ステファンのカーブを知ると、食べる物や、どう食べると良いかがわかる)。虫歯予防の王道はブラッシングです。コレが最も効果的で、安全で、確実!コレなしにお口と体の健康は始まらない(「食生活と身体の退化」著者W・プライスいわく、未開原始人の食生活を送るなら話は別)。下着を着、シャツを着、コートの上にマフラーは暖かいけど、全裸にマフラーだけしても寒いです。キシリトールはマフラー。日々のブラッシングでプラークをコントロールし、定期的なプロフェッショナルクリーニングと合わせて効果の出るものです。間違ってもガム咬んだだけで虫歯にならないなんて勘違いなさらないように!ブラッシングは歯周病も予防できちゃいます(歯周病は虫歯と同じで、種類の違う別の菌が原因です)。どーしても歯ブラシ以外の方法で!って方は、口の中でバルサン焚くか、ゴキジェットぶっ放すと細菌を退治できるかも?冗談です、試さないでくださいね!

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