歯周内科療法

Author: hirotoshi  |  Category: 未分類

「歯周病は感染症である」という理由で抗菌薬の使用を主体?とした「歯周内科療法」という治療法があります。「今では昔とちがって、楽に早く歯周病が治せます!」「当院では新しい治療法、歯周内科療法を行っています」というウリ文句の歯科医院のHPをよく見かけます。

「歯周内科療法」とは「お薬で歯周病菌をやっつける」「外科処置をしなくて治る」という2点がおおまかな特徴です。そして歯科医の雑誌には「その結果、患者さんは楽だし、歯医者さんも高い手術の技術を必要としないし、患者さんは増えるし~」というような、歯周内科療法の有料研修会の広告が載っています。一石二鳥か三鳥くらいありそうですよね?

僕も急性発作や難治性の場合などにはお薬も併用しますが、「歯周病治療には投薬!」って具合ではありません(歯周基本治療だけの場合もありますし、歯周外科を行う場合もあります)。理由は主に2つあります。抗菌薬を使えば一時的に菌をたたくことは当然できるのですが、歯周病には感染症と同時に生活習慣病の側面も大きいことや、人によって免疫力など個人差も大きいこと。薬を使って炎症は抑えられても、失った骨や歯肉を取り戻すにはいたらないこと。

僕もその歯周内科療法を指導している先生の講演を聞いた事があります。歯科医に歯周内科療法のやり方を教えている先生です。その先生の歯周病治療例を見ましたが、僕にはとうてい治っているとは思えないレントゲン像で「治った」と言われていたので、「治った」の判断基準が違うようでした。ちなみにアメリカ歯周病学会も日本歯周病学会も推奨していませんし、認められていないので抗真菌薬の使用などは保険治療としても認められていないと思います。

というわけで僕は「歯周内科療法」をうのみにするのはどうかな~と思っています。

Leave a Reply

Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.