「最高の根管充填剤は歯髄である」なんて大学の講義だったか何かで聞きました。
もっともらしいような、当たり前のことをもったいぶっているような違和感を感じたことを覚えています。
でも、その通りなのです。
永久歯を抜歯したらもう歯は生えてきませんし、抜髄をしたらもう神経は戻ってこないのです。
そして根尖病変ができる可能性を0にはできないのです。
だってこんなに複雑では完璧には対応不可能ですもの。
「最高の根管充填剤は歯髄である」なんて大学の講義だったか何かで聞きました。
もっともらしいような、当たり前のことをもったいぶっているような違和感を感じたことを覚えています。
でも、その通りなのです。
永久歯を抜歯したらもう歯は生えてきませんし、抜髄をしたらもう神経は戻ってこないのです。
そして根尖病変ができる可能性を0にはできないのです。
だってこんなに複雑では完璧には対応不可能ですもの。
「ジ・エンド1♪」で「根の中の管は枝毛のように枝分かれしていたり、複雑な形になっていることが多い」と書きました。
ちょうどわかりやすいレントゲンがありました。
歯の根っこの先っちょだけでなく、横っちょにも黒い影ができています。
枝分かれした「側枝」が原因となっているようです。
まだ1~2年程度しか経過していませんが、今のところ経過良好です。
「湾曲」していたり「側枝」があったりで、根管治療=エンドはとても難しいです。
だからなるべくしたくないです。
極力歯髄の温存に努めます。
というわけでこの話は終わりにします、ジ・エンド♪
引き続き歯の保存について。
歯を失う原因の大半が虫歯と歯周病です。
あるデータでは9割以上です。
それ以外でやっかいなのは「力」の問題です。
毎日毎日、噛み砕き、食いしばり、歯はとても過酷な環境で使われています。
人はあまり意識していませんが・・・
で、そうした力が積み重なりエナメル質に亀裂が入って、その亀裂から虫歯が発生したり、亀裂から歯の破折に進行してしまったりします。
そうなってしまうと歯を助けることは難しいです。
お茶碗でもそうですが、一度割れてしまったものをくっつけてみてもあまり長持ちしないことが多いのです。特に歯の場合は噛みますから・・・
奥から二番目の歯が写真からも、レントゲンからも非常にアヤシイ・・・
神経の処置をして、そのあとスーパーボンドという接着剤を使ってくっつけました。
これがどれだけもつかはわかりませんが、抜歯するのは最後の手段です。
抜いたらもう生えてきませんから、まずは保存を試みます。もちろん患者さん了承の上で♪
歯医者さんが「ぺリオ」と言ったら歯周病の事です。
で「エンド」と言ったら根管治療のことです。
歯内療法とも言います。
何の治療でもそうですが、100パーセントの成功率で、100パーセント安全ということはありえません。
なぜなら術者も人間だし、患者さんも人間だからです。
人間は個体差が大きく、誰一人として同じではありません。
神経や血管の走行も少しずつ違うし、傷口の治る早さも違うし、免疫力も違うし少しずつみんな違うのです。
で「エンド」の話ですが、歯の根っこの形も、その中の管の本数などもそれぞれ違っているのです。
また枝毛のように1つの管から複数に分かれていちゃったりもします。
だから完璧な治療を目指していても、なかなかに完璧にとはいかないものなのです。
たとえばこのような樋状根とよばれる形の歯も成功率が下がります。
違う患者さんですがレントゲンで見るとこんな感じ。
また、こんな曲がった根っこも細心の注意と、テマヒマ、時間を必要とします。
でもでもがんばって出来うる限り歯を保存・延命できれば、もしいずれダメになってもその時には今より良い治療方法が出来ているかもしれません。
だから日々わずかな望みしかなくても、分の悪い戦いとわかっていても、とりあえず戦っているのです。自分の歯は抜いたら二度と生えてきませんから。
もちろん患者さんと相談した上で、です。
そのような予後不良が予想される歯はその後の経過観察も重要です。
先日福岡国際会議場で「インプラントの基本的概念と最新手技」~安心安全なインプラント治療をおこなうために~と題した講演会があり、参加して来ました。
健康のためには健康な歯があったほうが良いことは明らか。
そして健幸のためにも。
虫歯や歯周病の予防処置や治療はとっても大事。
そしてその歯周治療の手技や、スタッフを含めた医院体制がインプラント治療に大きく関わります。
インプラントにまつわる外科処置の多くは歯周形成外科の手技なのです。
というわけで日曜日というのにたくさんの歯医者さん達が講演会に参加していました。
常に新たな知識を仕入れて、腕も磨き、さまざまの器具も購入して活用する。
歯医者の仕事は終わりのない「道」ですな~