朝日新聞6月13日の朝刊に「インプラント事故300件~過去5年顎や舌 まひ・しびれ~」という記事を読みました。
5年間に日本で行われたインプラント治療の総数が書いていなかったので、300件というのが、何割なのかはわかりません。多いのか少ないのか???
もちろん「事故0」「成功100%」が良いのですが、治療を行う上でそんなことはあり得ません。「リスク0」なんてありえないのですから。自動車は快適で早くて便利だけど、交通事故に巻き込まれるって可能性は0にはできない。0にするには車に乗らないことです(車に乗らなくても、事故に巻き込まれる可能性は0にはできませんが)。リスク0を目指すなら、出産だって避けたほうがいいかもしれません。
歯を失ったままに放置しておくことにも当然リスクがあるし、ブリッジにするも、入れ歯にするでも、残っている歯の寿命を縮めるリスクがあります。
インプラントには事故がツキモノ、事故が稀にあったってしかたがないんだ、と開き直っているわけではありません。研鑽を積み、知識と技術を向上し、確実安全な診査診断・施術を行う必要があります。
ただ、近頃はインプラントの悪い面だけが取り上げられている気がします。インプラントにはインプラントでしかできない大きなメリットがあるからこんなに選択する患者さんがたくさんいるわけです。
記事の中に学会理事長の瀬戸先生の言葉として「歯科医師の技術不足によるトラブルもあったが・・・」という文章がありました。インプラントをする場合は、自分が信頼できる先生にメリット・デメリットの説明をよく聞いて、相談して決めると良いと思います。ちなみに、記事の中で「4割近くは、骨に穴をあける際、神経を傷つけ・・・」というのがありましたが、これはインプラント治療の4割ではありません。インプラント事故の中の4割ですのでお間違えなく~