食べる楽しみを守る(その2)♪

Author: hirotoshi  |  Category: 歯なしにならない話

歯科領域は食生活や対人関係など、生活において重要な部分に大きく関与しています。

年を重ねるほどに、人生の楽しみが「食」と「会話」にスライドしてくる傾向が、アンケート調査などで分かっています。

いくつになっても食を楽しみ、豊かな生活を噛みしめる♪

コレができれば人生の満足度(QOL)は高まるし、健康寿命を伸ばす支えにもなるかもしれません。

歯を失うことは機能を失うだけでなく、自信も失うことが多いようです。

歯を失った時、治療には大きく分けて3つの選択肢があります。

一つは入れ歯で、比較的短期間で治療ができ、取り外して洗浄することが可能です。

ただ噛む力が弱くなるうえ、異物感も大きく、入れ歯を支える歯に負担がかかります。

二つ目がブリッジとよばれる治療です。

抜けた部分の両隣の歯を利用して、人工の歯(ブリッジ)をかぶせます。

噛む力はほぼ回復し、材質によっては見た目もきれいですが、両隣の歯が健康であっても削らねばならず、

削った歯が虫歯になる恐れがあります。

三つ目にインプラント治療があります。

インプラント治療は、骨と結合しやすい性質の金属「チタン」を手術であごの骨に埋めて固定し、

これを土台にして人口の歯をつけて、かみ合わせや歯並びを回復させます。

唯一、残っている歯の負担を減らせて、硬い物でも食べられるようになるのが特徴です。

ただ、体に人工物を埋める治療法のため、定期的な清掃や検診は欠かせません。

そして保険がきかないため1本当たり25~50万円の費用がかかります。

また、成功率の高い治療法ではありますが、報道にもありますように

治療後のトラブルもないわけではありません。

インプラント治療は外科治療ですから、リスクゼロはありません。

東京歯科大学、口腔インプラント学の矢島教授は

「一方的にインプラントを勧める医師はやめた方が良い。

入れ歯やブリッジで満足できる患者さんもたくさんいる。

質問に納得できるまで説明してくれる医師を選ぶと良いでしょう」

と言っています。

近頃報道でインプラント治療の失敗例が取り上げられて、悪い治療法のように

とらえられているようにも感じますが、当然のことながらインプラント治療によって

満足している患者さんはたくさんいらっしゃいます。

そうでないと治療方法として存在しえませんし、報道にもなりません。

「犬が人を噛んでもならないが、人が犬を噛んだらニュースになる」というのと同じですね。

義歯の患者さんの多くは「なんでも食べたい」という欲求を持っています。

そして咬めるようになったら、自信も甦るそうです!

インプラントを入れたら、まず「丸かじりしている写真を撮った」

という患者さんがいることからも、喜びの大きさを感じます♪

 

食べる楽しみを守る♪

Author: hirotoshi  |  Category: 歯なしにならない話

イカyやタコのお寿司を食べたり、ステーキをほおばったり、たくあんをぽりぽりかじったり

そして親しい友人との会話を楽しんだり・・・

気の合う仲間と、気持ちの良い場所で、好きなものを美味しく食べることは、大きな楽しみです。

特に年をとればとるほど、人生の楽しみの中で食事や会話の比重が大きくなっていきます。

50代以降のアンケートなどを見ると、女性はことさらのようです。

しかーし、年を取るほどに歯の抜ける?歯を抜かざるを得ない?人が増えます。

国の調査では60代で8割以上の人が歯を失っています。

お年寄りでもすべての歯が生えそろっている方もいらっしゃいますから、

「年を取れば歯を失うものだ」というわけではありません。

でも、大人を過ぎて「歯が生える」ことはないので、

現状維持か、失うか、しかありません。

今まであった自分の体の一部を失う残念さ、喪失感は、精神的にかなり大きなものです。

特に中年以降の「抜歯」は「自分も年を取ったんだな~」という

「寂しさ」「精神的な老い」の初めての出来事となることもあるようです。

だから、痛くなった時に、トラブルを生じてから歯科医院で治療をするだけでなく、

痛くなくても、困りごとがなくても、歯科医院で「予防処置」を行うことは、

体の方が長寿となった現代においては、大事な生活習慣なのです。

特に虫歯や歯周病に対して「予防」は効果的です。

逆に言うと治療は大変なのです。

虫歯について言えば「治療」とは言っても「修繕」しているだけで、元通りに「治せる」わけではありません。

歯周病についても、骨吸収の「進行停止」させるだけで、なかなか失った骨を100パーセント「回復」するのは

困難です(今では再生療法があって、以前に比べると格段に進歩してはいますが)。

なので、「失わないようにする」ことが最善で、もし失ったら失いっぱなしにしないことが大事です。

放置すると悲しくさびしい「喪失の連鎖」につながりかねません。

 

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